壊された5つのカメラ
4/25 『壊された5つのカメラ パレスチナ・ビリンの叫び』
パレスチナの民主抵抗運動の中心地となったビリンという地で農業を行っていたイマードブルナートが村の記録者、ジャーナリストとなるきっかけになったのは4男の誕生によって購入したホーム用ビデオカメラ。イマードは自分がとった記録がナショナリズムを高め、村人の士気を高めるきっかけとなる事に気づき、より撮影に力を入れていく。
イスラエル軍との攻防の過程、カメラは5つ壊された。中には弾丸をあび、カメラが彼を守ったというような瞬間もあり、生々しい空気感を見ている人に与える。
現在、あまりにも強い衝撃をもったシリアやイラクでの混迷によりパレスチナ問題はかつてほど注目を集めなくなっているという。
しかしパレスチナ問題、シオニズム問題は紛争を考えるという過程では全てのものに関連するものをもち今だからこそ、学び治す必要をもつのだと思う。
こんなに生の声を伝える、当事者に近い目線にたつ(視覚的にも、空気感も)映画は今まで観たことがなかった。
エール!
4/25『エール!』
フランスの田舎に住みながら農業を行っているべリエ家は長女のポーラ以外全員耳が聴こえない。彼女は家族のため会話を通訳するなどがんばる日々。
そんなある日彼女の歌声を聴いた音楽教師が才能を見出して音大への進学を勧める。戸惑いと期待に胸膨らますポーラだったが彼女の歌を聴けない家族は才能を信じられず、音楽への道には猛反対、確執が生まれてしまう…
何って、ポーラの歌声が透明感抜群でまず圧倒される。家族には私がいなくてはいけないという思いと、家族の存在は自分を縛るものだという思い。
自分の未来は自分で決めるといったような怒りに近い思いは誰にとっても共感できるもの。だからこの映画は手話に興味が無い人も面白いと思う。